地球に住めなくなる日

  「気候崩壊」の避けられない真実

   デイビッドウォレス・ウエルズ

   藤井留美=訳

 

 「知られざる戦慄の未来」

   ニューヨーク・タイムズ紙

   ベストセラー1位

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第14章 グローバル化する感染症

 

 岩石は地球の歴史の記録だ。何百万年という時間がほんの数センチの地層に凝縮されている。氷も同様で、過去の気候の変化を記した台帳のような存在だ。ただしこちらは、融けると歴史の一部が息を吹きかえす。北極圏に閉じこめられていた病原菌が、空気中に出てくることもあるのだ。もしそれが、過去に人間と接触したことのないものであれば、私たちの免疫システムは戦うすべを持たない。

 

 すでに実験室レベルでは復活例が報告されている。2005年には3万2千年前の「極限環境微生物」が生きかえったし、2007年には800万年前の微生物を蘇生させることに成功した。あるロシア人科学者は、350万年前の微生物を好奇心から自ら体内に注入した(幸い異常がなかった)。そして2018年には大物が復活する。4万2千年前に永久凍土に閉じ込められた線虫が息を吹きかえしたのだ。

 

 北極圏にはもっと新しくもっと恐ろしい病原菌も眠っている。アラスカで見つかったのは、1918年に大流行して5億人が感染し、5千万人が死亡したインフルエンザ、いわゆるスペイン風邪のウイルスの残党だ。5千万人というと当時の世界人口の約3%であり、時を同じくする第一次世界大戦の死者の6倍近い。シベリアの永久凍土には、ほかにも天然痘ウイルスやペスト菌など、過去に人類を大いに苦しめた病原菌が潜んでいるのではないか。研究者はそう考えている。

 

 氷づけの生命体もすべてがしぶとく生きのびるわけではないし、復活といっても条件の整った実験室での話だ。ところが2016年、シベリアの奥地で少年が炭疽で死亡し、ほかに住民20人の炭疽菌感染が確認された。トナカイも2千頭以上が死んでいる。原因は永久凍土が融け、75年前に炭疽で死んだトナカイの死骸が露出して、炭疽菌が大気中に放出されたためだった。

 

  人生の教養が身につく名言集

   立命館アジア太平洋大学

   学長 出口治明 著

 

 

  「見えないことが見えてくる」縦横思考法

    人間は本質的に無知で、獲得という手段を

    通じて知識を得る

    イブン・ハルドゥーン「歴史序説」

 

 

 

 

 

 

 

 

 【過去のインプットを組み合わせる】 坂本龍一さんの作曲法

 

「どうしてこれほどすごいアイデアが出せるのだ」…。

世の中には周りが驚くほど、発想が豊かな人がいます。

豊かな発想の源はいったい何か。それは持って生まれた「才能」というよりも、その人が持つ膨大な知識の量なのではないかと僕は考えています。

 つまり、インプット次第で、人は誰でもアイデアの達人になれるのです。

 

 昔、音楽家の坂本龍一さんが、機内誌のインタビューでとても興味深いことをおっしゃっていました。

 世界で活躍する坂本さんと私たちは「音楽に非凡な才能を持つ人」と見ますが、ご自信いわく、そのような才能はないのだ、と。あるとすれば、それは子どものころからインプットしてきた音楽の記憶。それらを引出し、組み合わせながら音楽をつくっているだけというのです。

 

 坂本さんのお父様は有名な編集者・坂本一亀(さかもとかずき)さん。仕事では非常に「怖い人」として知られていたそうですが、お子様にはやさしかったようで、息子さんが欲しいと言えば、何枚でもレコードを買ってきてくれたそうです。

 そのおかげで、坂本さんは音楽をインプットしていった。その記憶がその後の坂本さんの音楽の材料となっているというわけです。

 ということは、お父様が坂本さんにレコードを与えていなければ、「音楽家・坂本龍一」は生まれなかったかもしれない。

 

 僕は、この記事を読んだとき、アイデアや発想においても、知識(情報)の蓄積こそがすべてだとあらためて再認識しました。アイデアや発想を豊かにしようと思ったら、知識をどんどんインプットしていくに限る。

 そもそも、まったくゼロから生み出されたアイデアは、人類の長い歴史を見渡してもほとんど存在しないのではないのでしょうか。その前に存在したアイデアを組み合わせたり、あるいは、自分たちの時代に合わせた形に焼き直したりして、「斬新なアイデア」が生み出されていく。

 

 知識の蓄積の中からアイデアが生み出されていくのです。

 だからこそ、「知る」という行為が大切です。

 何も知らなければ、人間の頭の中は空っぽです。ゼロの状態。

 

 知識はいってみれば、材料です。材料がなければ料理ができないように、人間も知識がなければきちんとした思考はできません。思考ができなければアイデアも生まれてくるはずがないのです。

 

 

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