6月1日より隔日になりましたが、教育活動ができるようになったことに安堵しています。再び、新型コロナウィルス感染拡大の兆候があったときは、休園を強いられることもあると思いますが、今後ともご協力をお願いします。


 新学期早々、臨時休園を余儀なくされ、朝顔栽培を始める時機を逸し、春の植物栽培を断念せざるを得ないと思っていました。諦めきれず、種子を扱う業者に問い合わせたところ、コスモスの種を用意できることになり、先日配布させていただきました。6月中旬に、植木鉢を使用した栽培をご家庭で始めていただければ、10月頃に開花が楽しめると思います。是非、お子様と一緒にコスモスを育ててください。

 

 さて、植物栽培ならば、朝顔の代替えとしてコスモスが成り立ちますが、子育ては代替えが成り立つものではありません。
 

 2000年にノーベル賞を受賞した経済学者「ジェームズ・ヘックマン」は、人生のどの時点において教育にお金をかけるのが、効果的かを研究し「乳幼児期における教育投資が絶大である」ことを見出しています。ヘックマンは、重要なのは認知能力(IQのような知的能力)ではなく、「非認知能力を高めることが大切」と結論づけています。
 

 非認知能力とは、自分を動機づける能力、長期的な視野で行動する能力、自分を信じる能力、他者を信頼する能力、自分の感情をコントロールする能力になります。

 

 アメリカの心理学者テリー・モフィットは、1000人の子どもを対象に、生まれたときから32年間にわたって追跡調査したところ、子ども時代の「自己コントロール力」が将来の健康や富や犯罪を予測することを発見しています。

 

 「伸びる子どもは〇〇がすごい」榎本博明著(日経プレミアシリー発行)では、最近の若者をみていると、「頑張れない心」「すぐに諦める心」を持つ者が多いように思われてならない。と書き記されています。
 

 それでは、子どもと「どのように接したら」よいのでしょうか。


 榎本博明氏は、この本の中で「父親との遊びがもたらすもの」という項目を作り、霊長類学者・山極寿一氏の「ゴリラの子育てにおける父親の役割」を引用して、「ゴリラのオスは特別子育てに熱心というわけではない。生後1年間くらいは、母親は子どもをオスに近づけない。オスは積極的に子どもに近づこうとしない。ただ、子どもに対して「すこぶる寛容」で、子どもが接してきても拒まない。教育者というより「物わかりの良い保護者」であり、子どもの遊び相手といった役割を果たしている。としています。
 

 心理学的な研究においても、父親とよく遊ぶ傾向がみられる子どもは、情緒性、社会性、自発性が高く、父親の日常的な遊びが3歳児の情緒的及び社会的発達に好影響を与えているといった知見が得られています。
 

また、「レジリエンス(逆境に負けない心)」項目で、「レジリエンスが強い人」は、

 

  1. 自己肯定感が高く自己容認ができている
  2. 楽観的で未来を信頼している
  3. 忍耐強く、意志が強い
  4. 感情コントロール力がある
  5. 好奇心が強く、意欲的
  6. 創造的で洞察力がある
  7. 社交的で、他者を信頼している
  8. 責任感があり、自律的
  9. 柔軟性がある

このような性質があるとして、

 

Ⓐ自己肯定につながる認知スタイルを身につけること
Ⓑプロセスを生きる姿勢を持つこと
Ⓒ頑張った経験があること

を上げています。


 この本には、その他「早くから勉強させることより大切なこと」「学力の高い子どもの親には共通の行動特徴がある」などの項目があります。どちらにしても、親として「子どもと関わることを研究する」必要があると思います。
 

 私(園長)は、子育ては専門家に任せて、「子育て以外のことで母親が輝いて欲しい」とする国家体制が、「少子化を招いている」と思っています。子どもが幼児期だからこそ、必要な体験を親子で一緒に味わって欲しいのです。
 

 今年は、朝顔栽培に替わるコスモス栽培を提案しましたが、両親が子育てをすることの「代替えはない」ことを認識して欲しいと思っています。